柏駅前通り商店街の歴史は、明治29年(1896年)12月25日に常磐線の柏駅が開業とともに始まりました。
柏駅開業当初、柏駅周辺は、明治22年に戸張、柏、篠籠田、高田及び松ヶ崎が合併した千代田村でしたが、大正15年(1926年)に千代田村は町制を施行し、柏町と改称しました。
その後、昭和29年(1954年)9月には、柏町は周辺の田中村、土村及び小金町と合併し、東葛市(人口46,978人)となりましたが、同年10月に旧小金町の大部分を松戸市に編入、また同年11月に富勢村の一部を東葛市に編入合併し、東葛市を柏市に改称しました
柏市が誕生する過程では、政治的にかなり混乱しましたが、柏駅周辺の商業は、柏駅の開業以降順調に発展し、その中で柏駅前通りは柏駅周辺の中心的な通りとして賑っていきました。
柏駅開業以降、商店街が形成された柏駅周辺は、第二次世界大戦による戦災被害もなく、街の発展と共に順調に賑わいを増してきました。しかし、柏市が誕生したお祭り気分がまだ抜けない昭和30年(1955年)12月25日未明に起きた「柏の大火」は、全焼43棟、半焼・半壊6棟という惨事となり、その後の柏駅前通りにとって大きな変化の年となりました。
「柏の大火」は大きな被害をもたらしましたが、柏駅前通り商店街の人々はすぐに立ち上がり、復旧への動きはとても迅速でした。柏駅前通りの建物は、昭和31年(1956年)には防火建築帯と呼ばれる鉄筋コンクリート造の建物に建て替えられ、現在の柏駅前通り商店街を基礎となりました。その建物は現在も柏駅前通りに見ることができます。
その後の日本の高度成長期の好景気と共に、柏市は東京のベッドタウンとして人口は急増、柏駅前通り商店街もより一層の繁栄していきました。
次の柏駅前通り商店街にとって大きな変化の年となったのは昭和48年(1973年)です。この年に柏駅東口ダブルデッキが完成、そごう柏店が開店し、現在の柏駅周辺の商業の姿はこの頃にできあがりました。ちなみに、この2年前の昭和46年(1971年)に、柏駅前通りにはイトーヨーカドーが開店しています。柏駅周辺は、大規模な百貨店やスーパーと、商店街が共存共栄していく時代に入っていきました。
柏駅前通り商店街は、このような中で柏駅東口の目抜き通りとして賑わい、また地域の住民だけでなく、近隣地域から多くの買い物客がやってくるようになり、そのような来街者の皆さんに楽しんでもらうために、様々なイベントも開催し、多くの市民に親しまれる商店街として発展してきました。